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September 10, 2014

日本にいる最後の一ヶ月とカルメラ


【中文】日本最後一個月與Calmera

日本を出る前の日はまたYoutubeでこのPV見ていた





カルメラSUNSET DRIVER。

 OSAKA MUSEで初めてカルメラライブを観た時にこの曲をしていたかどうかもう覚えていないが、辻本さん(sax.)のソロシーンを見て、またその時のことを思い出した。

 カルメラと対バンした台湾バンドのSTAYCOOLの通訳として午後から現場に入った時、ちょうどカルメラのリハーサルだった。目に入ったのはステージの一番手前に、サックス.トロンボーン.トランペットの人がいて、とにかくギラギラしている感じが強かった。一番目立つのはやはり金髪のサックスの人。あんなロックな格好をしているのにサックス吹いているんだと思ってしまった。ライブに行くと、いつも前調べしてどんなバンドが出るかを知っておくようにしているが、この日だけは調べるのを忘れた。スタイルはSTAYCOOLと結構違うので「え?このバンドがSTAYCOOLと対バンするの?」とも思ったが、そこで出されたサウンドがすごく好きで、「本番は絶対観る!」と感じた。




 その日は3バンドの対バンで、カルメラは2番目だった。リハの通りにフルーツを投げて刀で刺すショートコントみたいな演出があって、そしてオープニングソングは台湾名曲の『高山青』。記憶に間違いがなければそれは最後の曲だった。「ギンギン.ギンギン.ギンギンギン。燃えろ、お前の元気ギンギン」の歌詞でお客さんを煽って一緒に歌って踊った。「日本人って振り付け好きだなー」と思った時に、キーボードの人がいきなり声を出して、面白いMCでもっと大きい声出せー!というメッセージをお客さんに伝えた。「このバンドなんだか訳分からないけど、面白い!あのサウンドいい!」。カルメラのライブが終わって、「このバンドすごく好き!面白い!」とはしゃぎながらほかのスタッフと話した。そのスタッフの方からあとでカルメラさんに声かけてみる?と言われて、大丈夫かな?と思ったが、どうしてもこのブログで紹介したくて頑張って声をかけてみた。あの時は一体誰に声かけたのか全く分からなかった。とにかくこの人はカルメラのメンバーだということは知っている。

 家帰ってカルメラの公式ホームページで見て、私が声かけた方はトランペットの小林さん。名前を覚えるのが苦手なので、この時覚えたメンバーは小林さん以外に、ギターのアツシさん、サックスの辻本さん、そしてキーボードのパクシンさん。あれから、彼らの音楽を聴けば聴くほどどんどんハマっていって、台湾に帰る前に、もう一度カルメラのライブを観たいと考えながら、8月の頭に福岡でのワンマンライブに行くことにした。しかしその前に、ちょっとしたエピソードで落ち込んで、奈良も近いからカルメラのライブに行ったらきっとその音楽から元気がもらうよね、奈良ライブも行こうと、ライブの前の日に決めた。



 ライブ前に辻本さんとほかに何人かのメンバーを見かけたが、多分私の顔を覚えていないだろうと思って、声かけずに本番を待っていた。始まる前は物販にいるカルメラのスタッフに挨拶。「STAYCOOLの通訳です。覚えていますか?」と、私のことを覚えていないかもしれないと思って、ドキドキしていたが、見覚えがあるようでほっとした。場所は天理駅前広場。一番記憶に残ったのは『だまって俺について来い ~ ウンジャラゲ』とういうクレイジーキャッツのカバーを2曲合体させた曲。ウンジャラゲの振り付けと歌詞で、小さい子からお年寄りまでみんなが笑顔になって楽しそうにライブを観ていた。お祭りだからこの曲を選んだかなと頭の中で考えていた。それに、辻本さんの目線がこちらに向くと後ろの女の子たちのほうから「笑顔やばぁ~」って声が聞こえ、やはりかっこいいよね!ライブ終わった後はスタッフの方と福岡ライブに行くことなどをいろいろお話して、メンバーたちと挨拶。「では、また福岡で!」。

 夜の10時に元気になった私は一人で奈良から大阪に戻った。しかし寝たのは3時くらい。新しく買ったアルバムの『HANZOMON LINE』と『千日前 HIGH COLORS』を流してカルメラのタブロイドを読んで、内容が面白くてずっと笑っていた。メンバーのプロフィールもあって、頑張って8人の名前を全部覚えた。ゴウシさん、ベースのHIDEYAさん、ドラムのいがっちょさん、そしてトロンボーンのたなせさん。



 福岡grafでのライブはその2週間後くらい。いつものカルメラ8人の形以外に、メンバーそれぞれのソロやセッションもあった。アツシさんのアコギ弾き語りから始め、ゴウシさんとアツシさんの二人のギター演奏、小林さんを中心にするセッション、パクシンさんと辻本さんのDUO.シカキム、そして最後はまたカルメラでライブを終えた。その間に挟み込んだのは福岡お笑い芸人町田隼人さんのネタ披露。フロアは最初『犬、逃げた。』などの曲で盛り上がった。ライブを楽しんでいるお客さんとカルメラの高まっているテンションがこちらに伝わってきて楽しかった。ソロタイムはアツシさんがうどんへのラブソングを歌った。とてもかわいらしい曲。そしてゴウシさんが加入、二人で演奏を進め、次に小林さんのセッションの曲は『千日前 HIGH COLORS』にも収録された『Yo! SKB -interlude-』というタイトルの曲だが、ライブで聴くのは初めて。トランペットの音が優しく、そのサウンドに酔いしれてしまった。パクシンさんと辻本さんによるクラリネットとピアノのデュオ.シカキムは2011年にアルバム『鹿キムチ』をリリースし、今はほぼ完売で、Amazonならまだ少しだけ在庫があるそうだ。後半のカルメラは町田さんと一緒に元気ギンギンのこの曲『ロックンロール キャバレー』でライブを締めた。




 ライブ後、スタッフの方から22日にカルメラは大阪でライブするのを知って、また行きますと話した。ほかにもこの台湾人はなぜ日本に来たのかといろいろとお話して、日本のどこかに遊びに行く?と聞かれて、東京に行きますよと答えると、19日の午後は鎌倉の海の家でライブがあるのを教えてくれた。しかしその日は朝に大阪戻る予定だったので、別に何も気にしていなかった。

 メンバー8人のツイッターを全部フォローしていると、ライブ情報の量が爆発的に多い。「19日に鎌倉の海の家でライブ」、「ライブ終わったあとは打ち上げ花火も見れる」というようなツイートでTLが埋めつくされた。東京にいる時間を一日伸ばしてライブに行くかなと迷っていたとき、鎌倉に住んでいる知り合いが「鎌倉はいいところだよー!」とずっと言っていて、結局行くことにした。また福岡の時と同じ、ライブを観るためにどこかに行ってついでに観光した。

 午後3時半にBeach House KULAに着き、外で話しているたなせさんとHIDEYAさんがいた。お盆休みはどうでしたかとちょっとお話して、4時に対バンのORESKABANDのライブからスタート、間にウエノコウジさんのDJ SETで、6時前からカルメラが音を出し始めた。この日のライブはゴウシさんの歌声で始まった。そしてよくライブで演奏するカバー曲『Moanin'』も。リードがギターになったこのカバー作は原曲より激しく、トランペットとサックスの掛け合いもアツシさんのソロも、めちゃくちゃかっこよかった!私が好きな『SUNSET DRIVER』もこの日のセットリストにあった。構えからすぐこの曲だと分かる。お客さんからの歓声も大きかった。最後はORESKABANDとの共同演奏でライブを終え、7時まで残って打ち上げ花火を見るお客さんもたくさんいた。





 三日後の22日、楽しみにしつつも薄々に寂しさを感じた。「今日のライブは最後になるね。今度いつカルメラのライブを観れるのか分からない。」と思いながら、落ち着いている感じでライブを観ていた。大阪にあるGuittoneでディナーショー。いつもの暴れているカルメラと違って、『TRAIN GANG』などの激しい曲も再アレンジし、ディナーショーにふさわしい優しいサウンドを出してくれて、その中にも私の好きな『Poplar』があった。そのまま穏やかでライブを最後まで進行して『Tristeza』で終えたが、アンコールは快活な気質がもう隠れられないように、ゴウシさんが「立ってもいいよー!」と言って、『FLAMINGO』の元気で楽しい雰囲気はライブの終わりだった。

 日本にいる最後の一ヶ月間はカルメラの音楽と出会ったおかげで、とても楽しく過ごせた。最初は落ち着きのない、勢いで客を呼び寄せるバンド、というイメージだったが、何回もライブを観て音楽を聴いて、彼らとお話して、やはりカルメラが好きだと分かった。曲を作るためにいろんな情報を集めて見つけた題材で創作する人もいれば、自分が経験した感情や身近の世界を音楽にする人もいる。カルメラは後のほうだと思う。それも私の好きな音楽。カバー曲も個性的で、Nirvanaの『Smells Like Teen Spirit』をサックスでリード。荒れ狂っているサウンドが癖になってしまう。こんな興味深く多様性の持つカルメラ、またいつかどこかで彼らのライブを観たい。




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